「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との戦い~

2014年3月 愛猫「ぺい」に、突然、癌が宣告されました。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見て頑張った記録です。
ありのままの事実を、感じた事を全て残しておくことにしました。

八月十一日(月)

朝、起きると部屋の床に長さ一センチぐらいの小さな糞が落ちていた。ぺいの糞だ。深夜、動くのも辛くてトイレに行けなかったのだろう。固形の糞だったので臭いもなくて幸いだった。それにしても、部屋に糞をするなんて初めてだ。ぺいは飼い始めた日から何も…

八月十日(日)

休日なので母が来た。このところ、毎週、水曜と日曜日には、欠かさずぺいの様子を見に来てくれている。母は、電車で何度となく通院させていたら情が移ってしまって、以降、様子が気になって仕方がないと話してくれた。正直、そう言ってもらえると凄く嬉しい…

八月九日(土)

いつも通りに仕事を終えて帰宅。部屋で暫く過ごした後、あらためて外出しようと玄関に向かった。その時、少し床に違和感を感じた。何かと思って見てみると、血や腐敗したものが床に付着している。これは、ぺいが横たわっていた場所だ。下顎が完全になくなっ…

八月八日(金)

帰宅してみると部屋の中にぺいの姿が見当たらない。あれ?どこに行った?すると、バスルームの床の上で横たわっている。でも、声を掛けても全く反応がない。頭の中を嫌な予感が過ぎった。でも、近づいて良く見てみると大丈夫のようだ。少し焦った。本当に死…

八月七日(木)

今日もぺいとスキンシップをした。スキンシップは、毎日、大体、夜の十二時前後から三十分程というのが日課になっている。私は、いつものように、ぺいの名前をやさしく呼びながら首周りや体を撫でた。すると、いつものように尻尾を振ってくれる。痛くて辛い…

八月六日(水)

私の家は、ペット禁止の賃貸マンションなので猫が人目に触れると拙い。そういった訳で、ぺいと暮らし始めてから数年間は、一切部屋の外には出さないようにしてきた。でも、ぺいは、網戸の内側から外の様子を度々眺めていて、網戸には外に出たくてかどうかは…

八月五日(火)

既に下顎は腐敗で全て失われてしまった。そして、いよいよ腐敗は喉にまで達してきた。首には、大きな血管がある。もし、これから先、動脈に癌が達して血管が破れてしまったら大量出血するのではないだろうか?どれほど猫に血液があるか分らないけど、大量に…

八月四日(月)

以前にも増して舌の状況が悪化してきた。下顎がなくなり舌を思ったように動かせなくて辛そうにしている。喉も渇くから辛いと思う。癌で手術するまでは、水を飲み時には、お風呂場の水道の蛇口に舌をつけて飲む事が多かった。でも、今は、その蛇口に舌をつけ…

八月三日(日)

もう季節は完全に夏。そういえば、八月に入った頃から、あれほど臭っていた腐敗臭が急に消えた。ぺいの様子を見てみると下顎は完全になくなっている。そして、癌による腐敗は、ほぼ喉にまで達している。私は、もしかしたら、下顎の組織と喉の組織は少し異な…

八月二日(土)

母が再び蝉を捕まえてきた。でも、全く関心を示さない。母が、ぺいが歩いている時に蝉をぺいの背中の上に乗せた。折角、捕まえてきたのだし、そうすれば、さすがに、少しぐらい蝉の相手をすると思ったに違いない。すると、蝉は、ぺいの背中の上で、ゆっくり…

八月一日(金)

無情にも日に日に下顎の腐敗が進んでいる。もう、ほとんど喉にまで達してきている。もし、このまま腐敗が止まらなかったら舌が根本から抜けてしまうのか?もし、舌が抜けてしまったら生きてゆけるのか?舌がなくなってしまったら、完全に気道に湿りっ気のな…

七月二十八日(月)

癌の浸潤が影響しているのだろうか?目ヤニ以外にも、鼻の穴にも汚れた鼻水が固まって黒い瘡蓋が出来た。黒い目ヤニと、鼻の穴の黒い瘡蓋。もう、既に下顎は完全になくなってしまった。だから舌は下向きに反り返って外気に触れている。本当に酷い状態で見る…

七月二十七日(日)

母が蝉を摑まえてきた。今年は、我が家に来るたび毎回のように捕まえてくる。それにしても、今日、捕まえてきた蝉は、かなり元気が良い。ただ、この前までは、あれだけ目の色を変えて無邪気に遊んでいたのに、今日は遊ぶ時間が極端に少なかった。二、三回だ…

七月二十六日(土)

ついに、下顎の左側は全て腐敗してなくなってしまった。右側は、左側よりは進行が遅いけど八割ほど消失してしまっている。ぺいが寝ているときに口の中を見てみると、右側に何か白い棒状のものが突き出ている事が分った。いったいなんだろう?正直、パッと見…

七月二十一日(月)

ぺいが食事をする場所には、姿見用の鏡が置いてある。だから、食事をする時、鏡に映るのは自分の姿だという事、そして、鏡に映るのは、自分の後方の景色だという事を良く分っている。鏡越しに私の様子を観察するという事も良くあった。ぺいは、今、癌になり…

七月二十日(日)

今日は、ぺいとずっと一緒に過ごせる休日だ。そんな訳で、自宅にいると母がやって来た。母は、ぺいの事が気になるようで、ぺいが退院してからは、だいたい週に二回、様子を見に来るようになった。ところで、数年前の事になるけど、母が、蝉を捕まえてきた。…

七月十七日(木)

寝るとき以外の時間に、窓を常に開けっ放しにしていると、蛾とハエが入ってくるようになった。蛾は、日常生活では全く見慣れない。だから、初めて蛾が部屋の中に入ってきた時には、一体どこから?と不思議だった。ちなみに最初に部屋の中に入ってきたのは蛾…

七月十五日(火)

猫は、頭が水に濡れた時、自分自身の頭をブルンブルンと振り回して水気を振り払う。そんな感じで、最近、同じ要領で涎を振り払うようになった。涎には粘性があって、ツーっと長くなる。それが、口から垂れ下がると、うっとおしいのだろう。でも、ブルンブル…

七月十三日(日)

我が家には、空気清浄器が二台あって、それらを二十四時間、動作させている。それでも、下顎の腐敗が進むにつれて、何とも言い難い臭いが部屋中に充満してきた。私は、設置型の大きい消臭剤を四つ買ってきて、部屋の中に万遍なく置く事にした。そんな訳で、…

七月十二日(土)

ついに下顎が先端から六割程、腐敗してなくなってしまった。歯が抜け落ちたのが、六月の二十二日だった。まだ、あれからたったの二十日しか経っていない。それなのに六割もの顎の肉が既に腐敗してなくなってしまった。あまりにも早い。早すぎる。舌は、かろ…

七月十一日(金)

癌で下顎の腐敗が進んでいる。そして、腐敗した細胞は、膿になって血や涎と混ざって口から少しずつ滴り落ちている。それにしても、腐敗が信じられないほどのスピードで進んでいる。手術するまで癌は大きくなる一方だった。先生から手の施しようがないと言わ…

七月十日(木)

仕事から帰宅してぺいの顔を見てみると、左目から何やら汚れたような涙が出ている。ティシュで拭き取ってやると、案の定、ティッシュが少し黒く汚れた。涙自体が汚れている。一体何なんだろう?そして、その目の周囲には、汚れた涙が固まって目ヤニになって…

七月九日(水)

なぜか急にトイレの回数が多くなってきた。普段と比べると十倍近い。回数が多い分、一度に出る糞尿の量は十分の一程度。便は軟便気味だ。癌が本格的に痛みだして、少しの便意や尿意にも耐える余裕さえないのだろうか?さっぽり分からない。そして、糞尿した…

七月二日(水)

どれくらい昔からだったろうか?気がつけばという感じだったので、いつの頃からだかは分からないけど、ぺいは、毎日、お湯の入っていない空のバスタブの中で過ごす事があった。おそらく、狭くて、ヒンヤリしているから、それが心地良いのだと思う。ただ、そ…

七月一日(火)

この日も私が寝ようと準備を始めると、ぺいは、昨日と同じ足元側のベッドの端で寝始めた。あれ?寝る場所、変えたのかな?ずっと、一緒に寝てきたのに・・・。本当なら私と一緒に寝たいはずなのに・・・。私は、顔の近くで一緒に寝ると、迷惑を掛けていると…

六月三十日(月)

今夜も、もちろん我慢して寝るしかない。そう思って布団に入った。ぺいは、いつものように枕元で寝始めている。私は、昨日と同じようにマスクを二重にして、ぺいに背を向けて寝る事にした。それにしても臭い。耐え難き臭さ。本当に困った。どうしょう・・・…

六月二十九日(日)

昨日から始めたマスク。今日もマスクをして寝る事にした。でも、ぺいからの臭いが、さらに強烈になってきた。昨日は、効果のあったマスクなのに、今夜は、殆ど効果がない。マスクで防げたのは、たったの一晩だけ。そんなのあり得ない。でも、それが残念なが…

六月二十八日(土)

日中、夜、どうしたら臭いに悩まされずに眠る事が出来るか考えた。それで、ある事を思いついた。それは、マスクをして寝るという発想だ。そもそも、どうしてもっと早く気づかなかったのだろう?早速、マスクをして寝る事にした。おっ!やっぱり、これは素晴…

六月二十七日(金)

今日も寝る時間になった。ぺいは所定の位置の枕元に陣取って寝始めている。前にも書いたけど、私が寝ようと準備を始めると、ぺいも寝る準備を始める。そして、ベッドの上のいつもの位置に陣取る。それにしても、腐敗臭は強まるばかり。本当に強烈だ。でも、…

六月二十六日(木)

そういえば、ぺいは寝る時、いつも枕元で寝るという事を前に書いた。ちなみに、寝る時の私の顔の位置と、ぺいの顔の位置は、せいぜい離れても三十センチぐらいしか離れていない。これだけ近いと、就寝中、ぺいから漂ってくる腐敗臭に鼻を突かれる事が急に多…