「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

(転載) 虹の橋 / 雨降り地区

【虹の橋】

 愛猫を失い悲しみに暮れていた時、初めて知った散文詩です。読み進めるにつれ涙が溢れて止まりませんでした。例え想像の世界の話であっても、このような世界の存在を完全否定は出来ない訳で、また会えるのかもしれないと思えた事で、当時、気持ちが少し楽になりました。

 (原文)

Just this side of Heaven is a place called Rainbow Bridge.
When an animal dies that has been especially close to someone here,
that pet goes to Rainbow Bridge.
There are meadows and hills for all of our special friends
so they can run and play together.
There is plenty of food, water and sunshine and
our friends are warm and comfortable.

All the animals who had been ill and old are restored to health and vigor;
those who were hurt or maimed are made whole and strong again,
just as we remember them in our dreams of days and times gone by.
The animals are happy and content, except for one small thing:
they each miss someone very special, someone who was left behind.

They all run and play together,
but the day comes when one suddenly stops and looks into the distance.
His bright eyes are intent; his eager body begins to quiver.
Suddenly, he breaks from the group, flying over the green grass, faster and faster.

You have been spotted, and when you and your special friend finally meet,
you cling together in joyous reunion, never to be parted again.
The happy kisses rain upon your face; your hands again caress the beloved head,
and you look once more into those trusting eyes,
so long gone from your life, but never absent from your heart.

Then you cross the Rainbow Bridge together...

 (日本語訳)

  天国のほんのわずか手前に「虹の橋」と呼ばれている場所があります。人間と愛し合っていた動物たちは、この世を去ると『虹の橋』へと向かうのです。そこには牧草地や丘があって、動物たちはみな仲良く一緒に走り回ったりして遊んでいます。 食べる物も水も、太陽の光もそこには豊富にあって、温暖なところで誰もが快適に過ごしているのです。 病を患っていた動物も、年老いていた動物も、皆がエネルギーを取り戻し、傷を負ったり、不自由な体をしていた動物も、元気いっぱいの元の体を取り戻すのです。まるで過ぎ去った日の夢のように。ここにいる誰もが幸せで、満ち足りた生活をしています。でも、たったひとつだけ、気がかりなことがあるのです。それは、自分にとって特別なあの人が近くにいない寂しさ。動物たちは、みな一緒に走り回って遊んでいます。ある時、その中の一匹が急に立ち止まり、遠くの方をじっと見つめます。その瞳はキラキラと輝き、身体は喜びで小刻みに震えています。すると、突然仲間から離れ、緑色の草の上を走って行きます。ものすごいスピードで。まるで空を飛んで行くかのように。あなたを見つけたのです。 『虹の橋』での再会を喜び、二人はしっかりと抱き合います。そして、離れたりすることは、もう二度とありません。幸せに満ちたキスがあなたの顔に降りそそぎ、あなたは愛する友を両手で優しくなで、信頼にあふれた友の瞳を再びのぞき込みます。あなたの人生から長い間失われていたものの、心の中では一時たりとも消え失せることのなかった、その瞳を。そして『虹の橋』を渡っていくのです。二人一緒に...  

 

(動画の紹介 / 製作: いのりオーケストラ様)

 

 

【雨降り地区】

作者:芝山 弓子様 

 こんな風に、幸せと愛の奇跡に満ちている、「虹の橋」の入り口に、「雨降り地区」と呼ばれる場所があります。そこではいつもシトシトと冷たい雨が降り、動物達は寒さに震え、悲しみに打ちひしがれています。そう、ここに降る雨は、残して来てしまった誰かさん、特別な誰かさんの流す涙なのです。 大抵の子は半年もしないうちに、暖かい日差しの中に駆け出して、仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らす事ができます。ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも…。

 でも、1年経っても2年経っても、ずっと「雨降り地区」から、出て行かない子達もいるのです。地上に残して来てしまった、特別な誰かさんがずっと悲しんでいるので、とてもじゃないけれど、みんなと楽しく遊ぶ気になれないのです。地上に残して来た誰かさんと同じ辛い想いをして、同じ悲しみに凍えているのです。

 死は全てを奪い去ってしまうものではありません。同じ時を過ごし、同じ楽しみを分かち合い、愛し合った記憶は、あなたの心から、永遠に消え去る事はないのです。地上にいる特別な誰かさん達の、幸せと愛に満ちた想い出こそが、「虹の橋」を創りあげているです。

 ですからどうか、別れの悲しみにだけ囚われないでください。彼らはあなたを幸せにする為に、神様からつかわされたのです。そして、何よりも大事な事を、伝えにやって来たのです。命の儚さと愛しさを。束の間の温もりに感じる、慈悲の心の尊さを。その短い生涯の全てを以って、教えてくれるのです。癒える事のない悲しみだけを、残しに来るのではありません。

 思い出してください。動物達が残して行ってくれた、形にも、言葉にもできない、様々な宝物を。それでも悲しくなったら、目を閉じてみてください。「虹の橋」にいる、彼らの姿が見えるはずです。

 信じる心のその中に、必ずその場所はあるのですから…。

 ※ご自身のホームページに「無断転載、無断複写大歓迎」として、この物語を発表された芝山様は、一人暮らしの女性でした。2005年12月21日に逝去されているところを、ご両親によって発見されたそうです。(その後、ホームページは閉鎖されています。)

 

(動画の紹介 / 製作:ぺろまま様)