「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

四月十日(木)

再び放射線治療の日がやってきた。今回の通院からは、当初の予定通り、母にぺいを病院に連れていってもらうことにした。私も休暇を取ろうと思えば取れなくもないけど、さすがにこれ以上、何度もペットの事で有給を取る訳にもいかないからだ。それにしても、重いぺいを古希を超えた母に運んでもらうのは本当に申し訳ないと思った。しかし、お願いするしかない。それで、早朝、母が私の家に来た。母は、二駅ほど離れた場所に住んでいる。でも、母の家は、駅から結構離れた場所にあるから、自転車で片道三十分程の時間を掛けて来てくれたのだ。行き帰りの自転車での往復、ぺいを連れて電車に乗ったり、坂道を上り下りしたり、それと、病院での応対など、正直、私でも結構疲れる。それを、古希を超えた母に、これから先、七回程お願いする予定だ。ぺいも私も本当に感謝で頭が下がる。それと、この一週間のぺいの様子を先生に正しく伝えたかったので、私は、前日、先生宛に手紙を書いていた。手紙には、平時と比較した日々の食事量と、元気さの推移を数値化したもので、あとは、口からの食事は日々ちょっとだけ口をつける程度で、以前の二十分の一程度の量だという事、元気さについては、徐々に回復して、昨日は、入院前と、ほぼ同じぐらいに戻ったという事、それと、寝ている時に、何か痛みに耐えているような様子だったので、理由を教えてほしいという内容を記した。ちなみに、ぺいが痛みに耐えている様子については、録画したものをUSBメモリに収めて、手紙と一緒に持参してもらう事にした。そうして、私は、仕事中は、放射線治療が再び先送りになる事なく、何とか実施される事を祈った。それは、三月十八日の手術の時に放射線治療をして以来、もう二十三日も経過していたからだ。今までの扁平上皮癌の進行スピードを考えたら、この期間で、結構、癌が進行してしまったような気がして仕方なかった。

 

 仕事を終えて帰宅してみると、私の書いた手紙が部屋の中に置いてあった。手に取ってみると、余白部分に手書きで、「放射線治療は予定通り実施させて頂きました」「抜糸しました」と書かれてある。先生が書いてくれたのだ。ひとまず、放射線治療の二回目を終えて、手術の傷口も順調に治って抜糸も出来たようで良かった。私は、早速、母にお礼の電話をした。すると、先生からの話で、録画した様子だけでは診断は出来ないので、その原因や、癌の経過判断なども含めて、次回、来院の際にCTスキャンを推奨したいと話されていた事や、今後の放射線の治療方針は、毎週一回木曜日になったという報告を聞いた。

f:id:pei0823:20151101160542j:plain f:id:pei0823:20151101160735j:plain