「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

五月一日(木)

五回目の放射線治療日。今日から五月だ。四月の桜の景色のカレンダーを捲ると、五月の新緑の景色のカレンダーが目に飛び込んできた。ぺいと私が、いつも一緒に過ごしている部屋に掛けてあるカレンダー。過ぎ去った月のカレンダーを捲って、新たな月の景色を目にした時の喜び、月という単位で命を繋げたことの重み、そして、来年のカレンダーを捲る時にも一緒にいたいと思う気持ち、カレンダーを捲る時、色々な気持ちが交錯して胸が一杯になる。でも、それは、ぺいと一緒にカレンダーを捲っているからなのだろう。そして、そう思うと、なおさらぺいと一緒に年を越したい、来年のカレンダーだって、ぺいと一緒に捲りたいと思った。ぺいは、引き続き元気が良い。癌になる前と同じ元気さを、二週間ほど前からキープしている。食事だって、以前と変わらない量を口から食べてくれるようになった。それと、少し様子を見ていた口の中の違和感を取り除こうとする様子もなくなった。ぺいも長い間の苦痛から解放されて本当に幸せそうだ。そんな様子を見る事が出来て本当に嬉しい。頭に、とある言葉が浮かんだ。「順風満帆」いい言葉だ。きっと、順風満帆とはこういう事をいうのだろう。本当に手術をして良かったと思った。きっと、口の方は、放射線治療によって、癌細胞が芽のうちにやっつけていけば大丈夫で、結局、残る懸念は、肺への癌転移の可能性だけだ。今週は、そんな感じで、順風満帆の状態だったので、この日の通院では、何も手紙に書く事がなかった。病院に連れて行ってくれる母には、「順調で何も問題ないです」とだけ先生に伝えてほしいとお願いした。