「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

五月十五日(木)

七回目の放射線治療日。放射線治療も残すところあと二回。今週の様子は少しだけ元気のない日があったぐらいだ。きっと、放射線治療の影響で身体がだるいのだろう。でも、食欲の方は順調だ。退院して暫くは、昔のように食事をしてくれなかったけど、このところ嬉しそうに口から食べてくれている。そんな様子を見ていると、私自身が口から食事が出来るようになった気すらして、本当に嬉しい。そういえば、最近、若々しい新緑の葉が目に飛び込んでくるようになった。もし、手術をしていなければ、ぺいの命も冬の木の葉のように散ってしまっていたはずだ。ぺいの命が、生まれ変わった新緑の葉のイメージと重なる。せめて平均寿命まで生かせてやりたい。あらためて、そんな事を強く思った

 

この日も仕事を終え、夜、いつものように母に電話した。今回は、先生宛ての手紙は書かなかったけど、そのかわり、一つだけ、先生に聞いてほしいとお願いしていた事があった。それは、胃瘻チューブの事だ。私は、放射線治療が終わって通院の必要がなくなっても胃瘻チューブは装着したままにしておこうと決めていた。だけど、胃瘻チューブを装着していると包帯などでチューブを身体に常に密着させておく必要性がある。ただ、包帯だと緩んできたり汚れたりするので、一週間ほどで新しいものに取り替えなければならない。まだ、今現在は、通院しているから毎週病院で処置をしてもらえるので問題はないけど、通院の必要がなくなったら自分でなんとかしなければならない。ただ、意外と処置には手間とお金が掛るし、それがなおさら長年続くと考えると大変だ。それで、包帯以外に何か良い方法はないか?聞いてもらっていたのだ。この事については、母曰く、特に現状以外の方法はないとの事だったそうだ。しかし、私は、当然、簡単に諦める事なんて出来ない。そこで、胃瘻チューブを身体に密着させられる他に楽な方法がないか色々想像してみた。そうして、思いついたのが、胃瘻チューブを密着させるような服だ。そこで、早速、インターネットで、「胃瘻チューブ、服」というキーワードで検索してみた。すると、胃瘻チューブ用のニットというものを見つけた。これは、特殊なニットを着させる事によって、簡単に胃瘻チューブを身体にフィットさせられるようになる品物のようだ。これは素晴らしい。ペット好きの個人の方が、自分の手芸の技術を生かして製作しているのだ。念のため、他にも、同様のようなニットがないかネット上で探してみたけど見つけられなかった。そこで、早速、この胃瘻チューブ用のニットを注文して、商品の到着を待つ事にした。

f:id:pei0823:20151114191046j:plain