「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

六月二十二日(日)

夜、ぺいは、いつものようにベッドの上で寝ている。そして、二十一時を過ぎた頃、すくっと起き上ってベッドの上から下りた。すると、寝ていた場所に何か見慣れないものが落ちている。一体、何だろう?私は目を近づけてみた。歯?ぺいの歯だ。あの唯一残っていた右側の前歯。ついに、あの手前に傾いていた歯が抜けてしまったのだ。でも、歯といっても想像以上に大きくて、最初は何かと思った。それは、歯根を取り囲む組織も一緒に歯にくっついて根元から抜けてしまっているからだ。私は、いつかこんな日が来るとは思っていた。だけど、本当に抜けてしまった歯を見てショックだった。やはり、少しずつだけど紛れもなく悪いことが、確実に進行しているのか?私は、ふと抜けた歯の臭いを少し嗅いでみた。もうこれは超絶する。そんなレベルの臭さ。めちゃくちゃ臭い。腐敗した細胞が歯に一緒にくっついているからだ。でも、口の形状自体には特に異常は感じられない。あくまで歯が抜けただけという感じだ。それにしても、あの最後の通院から、もう一か月。既に、余命宣告の最短の時期を経過するかしないかの時期。それなのに、再び、あの時のように癌の腫瘍が口の中で大きくなっているような様子はない。歯は、そもそもグラグラしていたから、前歯一本が抜けるぐらいなら仕方ないと思えた。この先、どうなってしまうのか?先生は、最長でも余命三か月と言っていた。もし、そうだとすると、あと二か月しかない。この状態から、もう、あと二か月しかないなんて、本当にあり得るのか?とても信じられない。 

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