「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

六月二十七日(金)

今日も寝る時刻になった。既にぺいは、いつもの場所であるベッドの上の枕元に陣取って寝始めている。前にも書いたけど、私が寝ようと思って準備を始めたら、ぺいも寝る準備を始める。それにしても、腐敗臭は強まるばかりで、本当に強烈な臭いだ。でも、ぺいの私と一緒に寝たいという気持ちを何とか大切にしてやりたい。とにかく、それが私の第一優先だ。もし、ぺい自身、余命が短いんだと悟っているなら尚更だ。もちろん、私自身も、今まで通り一緒に寝て、残された時間、ぺいの存在を一分一秒でも身近に感じていたい。私は、そのような事を思いつつ、いつもと同じように布団に入った。しかし、時折、強烈な臭いが鼻を突いてくる。とてもじゃないけど、なかなか眠れない。そうだ、上下逆向きに寝よう。私は、ぺいの方に足を向けて逆向きに寝てみる事にした。身体の向きを変えていると、ぺいは、一体何を始めたのかという目で、私の挙動を見ている。とにかく、この逆向きで寝るという発想、ぺいに足を向けて寝るのは、少し嫌だけど、床に寝たら固いし、とりあえず、いつもと違う逆向きでも、ぺいと同じベッドで寝られるので、これは、なかなかの折衷案だと思った。でも、いざ逆向きで寝ようとすると、どうしても違和感があって全く寝付けない。仕方ない・・・。また直ぐに普段通りの定位置に戻って寝る事にした。そして、強烈な臭いには、完全に無駄な抵抗だけど、ぺいに背を向けて寝る事にした。そんなこんなで、もし熟睡していても、時々、強烈な臭いが鼻を突いてきて、目が覚めるという事が、深夜、何度もあった。どうしよう・・・。これから先、ずっと眠れない日々が続いてしまいそうだ。