「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

七月二日(水)

どれくらい昔からだったろうか?気がつけばという感じだったので、いつの頃からかは、正確には分からないけど、ぺいは、毎日、お湯の入っていない空のバスタブの中で過ごす事があった。バスタブの中で別に寝る訳ではない。おそらく、狭くてヒンヤリしているから、それが心地良かったのだと思う。ただ、それ以外にも思いあたる理由はある。何かというと、私は、いつも使ったシャワーのヘッド部分を所定の場所に掛けないで、バスタブの底に置きっぱなしにしていたのだけど、ぺいは、そのシャワーのヘッド部分に舌をあてて、浸みだした水を飲んだり、そうかと思えば、シャワーヘッドから浸み出た水が排水溝に向かって流れてゆく様子に興味があるようで、その水を手で突っついて遊んだりもしていた。ただ、最近、そんなバスタブの中で過ごす時間が、急に多くなってきた。でも、もう舌は上手く動かせないから、染み出た水は飲めない。もっぱらシャワーヘッドを手で突っついて、染み出た水を眺めたりしながら過ごしているだけだ。本当なら、きっと、昔みたいに舌を使って飲みたいはずだ。でも、飲みたくても飲めない。それでも少しでも水と接していたいのだろう。猫は、人間みたいに手でコップを持って水を飲むことなんて出来ない。人間以上に舌が動かないと酷く不自由になってしまう。かわいそうでならない。でも、何とかしてやりたくても何もしてやれない。

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