「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

七月十七日(木)

寝るとき以外の時間、窓を常に開けっ放しにしていると、蛾とハエが入ってくるようになった。蛾は、日常生活では全く見かけなかったから、初めて蛾が部屋の中に入ってきた時は、一体どこから?と思った。ちなみに最初に部屋の中に入ってきたのは蛾の方だった。個人的に、腐敗したものにハエが寄ってくるのは良く知っていたけど、まさか見慣れない蛾まで寄ってくるとは思わなかった。そして、このところ何度となく蛾が部屋に入ってくるようになった。ただ、蛾にせよハエにせよ残飯などの腐敗物に集まっているのであれば、特に何も思わない。だけど、今は、ぺいの不幸を喜ぶかのように部屋に入ってきている。私は、そんな蛾やハエが凄く憎たらしくて仕方なかった。でも、ぺいは、見慣れない蛾やハエを、無邪気に追いかけ回している。きっと、ぺいは、部屋に出没している蛾やハエが、まさか自分の腐敗臭のせいだとは思ってはいないのだろう。いや、もしかしたら私と同じ気持ちで憎たらしくて追いかけ回しているのかもしれない。私は、正直、何とも言い難い気持ちで、とにかく蛾やハエを、ぺいと一緒に部屋から追い払った。