「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

八月八日(金)

帰宅してみると部屋の中にぺいの姿が見当たらない。あれ?どこに行った?探してみるとバスルームの中に姿があった。バスルームの床の上で横たわっている。声を掛けても全く反応しない。頭の中を嫌な予感が過ぎった。でも、近づいて良く見てみると大丈夫そうだ。少し焦った。本当に死んでいても不思議ではない雰囲気で床の上に横たわっていたから、留守にしている間、もしかして死んでしまったのかと思って焦った。それもそうだ。下顎は全て失われて、舌は後ろ向きに反り返っている。目からも黒く汚れた涙が出ていて、見るからに悲惨な状態。もう、いつ死んでいても不思議ではない。私が外出している時、ぺいがどのように過ごしているのかは分からない。でも、おそらく、一日の六~七割の時間は、バスルームの床の上に横たわっているようだ。そういえば、バスルームでは、シャワーヘッドから浸み出た水を手で突っついていた。でも、もう、そんな事すらしていない。それほど容態が悪いという事だ。きっと、バスルームの床は、冷たくて気持ち良いに違いない。なんとなく、ぺいの最期は、バスルームの床になってしまいそうな気がする。