「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

四月六日(日)

季節は春。部屋の外は桜が満開だ。もし手術をしていなければ、三月十五日から食事を食べられなくなっていたから、今日までは、生きていられなかったはずだ。だから、術後の経過も、まだ決して落ち着いてはいないけど、ぺいに桜を見せてやりたかった。もちろん、過去に桜なんて一度も見せた事なんてなかったし、そもそも、桜になんて全く興味なくて、猫が花より団子なのは分っている。でも、どうしても見せてやりたかったのだ。私は、街中に咲いていた桜を少しだけ持ち帰って、ぺいのそばに、「ぺい、桜だよ、生きてて良かったな」と声を掛けながら置いてみた。やっぱり、それが何?って反応だ。でも、初めて目にする桜。なので、少しぐらいは興味があるかもしれない。暫くすると、桜の花の部分に鼻をつけて匂いを確かめてくれた。やったぁー。私は、凄く嬉しかった。「ぺいに桜を見せたかったんだよ」「生きてて良かったな」「来年も見れると良いよな」今日という日は、ぺいと今年の桜というものを一緒に味わうことが出来て本当に良かったと思った。

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