「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

八月二十日(水)

今日も朝起きると真っ先にぺいの姿を緊張しながら探した。日に日に容態が悪くなっているから凄く緊張する。そして、直ぐにフローリングの床面に姿を見つける事が出来た。でも、死んだように横になっている。もしかして・・・。少し焦った。ただ、良く見てみ…

八月十九日(火)

昨晩は、これまでで一番徘徊していた。一晩中、ずっと、三十秒置きぐらいの感覚でベッドの上に上がったり床に下りたりを繰り返していた。ベッドに何度も上がってくるという事は、本当は、ゆっくり眠りたいに違いない。でも、きっと痛くて苦しくて、じっとし…

八月十八日(月)

ますます腐敗が進んでいる。癌は腐敗して居場所がなくなりそうになると新天地を求めて隣へ隣へと浸潤してゆく。そして、元々、全く問題のなかった場所すら腐敗させてゆく。腐敗というよりは溶けてゆくという感覚の方が近い。私の大切な、私の愛するぺいの身…

八月十七日(日)

朝、起きてみると、またしても一センチぐらいの小さな糞が部屋の中に落ちている。今回は、二か所に見つけた。前回と同じ固形の糞だ。一昨日あたりから、砂場では、一度も糞をしていない。おそらくこれから先、糞は部屋の中にするのだろう。砂場まで移動する…

八月十六日(土)

今日は休日。昨日、とにかく、今日は一日中、家にいて、ぺいと同じ空間で同じ時間を少しでも多く過ごしたいと思っていた。もちろん、この数か月、いつも同じように思ってきた。だけど、今まで以上に、一分一秒でも一緒に過ごしたいと思ったのだ。もう奇跡は…

八月十五日(金)

朝、起きると同時に真っ先にぺいの様子を確認した。緊張しながらの確認。死んでないだろうか?そんな心配が募るほどに状態が悪化している。良かった。また新しい朝を迎えられた。なんとか生きている。健康であれば何気ない一日一日という時間をクリアしてゆ…

八月十四日(木)

一目で、どう見ても容態が悪化してきている事が分かる。それも著しく。見るに堪えない。ぺいの名前を口に出す事さえ躊躇してしまう。なぜなら、名前を呼べば気を遣わせてしまって、負担を掛けてしまうからだ。それでも、小さい声でやさしく呼んでみる。やっ…

八月十三日(水)

夜、またぺいを廊下に出してやろうと思って玄関のドアを開けてやった。いつもなら直ぐ外に出て行こうとする。でも、今日は、ドアが開いた事は、目で見て認識出来ているのに出て行こうとしない。あれほど興味があった世界なのに、もう満足したのだろうか?も…

八月十二日(火)

夜、洗濯をした。洗濯機は昔ながらの二槽式を使っている。単に壊れないから二十五年ぐらい使い続けているけど、二槽式の洗濯機は、簡単に洗濯漕の中に水だけ溜めた状態に出来る。この日、洗濯機をそんな状態にしてパソコンに向かっていた。すると、突然、「…

八月十一日(月)

朝、起きてみると、部屋の床に長さ一センチぐらいの小さな糞が落ちていた。ぺいの糞だ。深夜、動くのも辛くてトイレに行けなかったのだろう。固形の糞だったので臭いもなくて良かった。それにしても、部屋に糞をするなんて初めての事だ。ぺいは我が家にやっ…

八月十日(日)

休日なので母が来た。最近、毎週、水曜と日曜には、欠かさずぺいの様子を見に来てくれている。母は、電車で何度となく通院させていたら情が移ってしまったようで、以降、ぺいの様子が気になって仕方がないと話してくれた。正直、そう言ってもらえると凄く嬉…

八月九日(土)

いつも通りに仕事を終えて帰宅。部屋で暫く過ごした後、あらためて外出しようと玄関に向かった時だった。少し床面に違和感があった。何かと思って近寄ってみると、血や腐敗したものが床面に付着している。これは、少し前、ぺいが横たわっていた場所だ。下顎…

八月八日(金)

帰宅してみると部屋の中にぺいの姿が見当たらない。あれ?どこに行った?探してみるとバスルームの中に姿があった。バスルームの床の上で横たわっている。声を掛けても全く反応しない。頭の中を嫌な予感が過ぎった。でも、近づいて良く見てみると大丈夫そう…

八月七日(木)

今日もぺいとスキンシップ。退院以降、特別に始めたスキンシップは、毎日、大体、夜の十二時前後から三十分程というのが日課になっている。私は、今日も、いつものように、ぺいの名前をやさしく呼びながら首周りや体を撫でてやった。すると、尻尾を振ってく…