「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

七月二十一日(月)

ぺいが食事をする場所には、姿見用の鏡が置いてある。だから、食事をする時、鏡に映るのは自分の姿だという事も、鏡に映るのは、自分の後方の景色だという事も良く分っている。だから、鏡越しに私の様子を観察するという事も良くあった。ぺいは、今、癌になり自分自身の変化する様子を、鏡を通じて目にしている。どんな気持ちなんだろう?

 

ところで、猫は、綺麗好きだ。普通、暇さえあれば舌を使って自分の体を舐めている。でも、今のぺいは、舌を全く動かせない。だから、ぺいの身体を綺麗にしてあげられるのは、私という事になる。特に、顔の周囲には涎などが付着する。しかも、最近、目元には、汚れた涙や固まった目ヤニまで付着するようになった。この目ヤニは、固まると凄く固い。だから、水に湿らす程度では取れない。もちろん、固まる前であれば問題ないけど、直ぐに乾燥して固まってしまう。一旦、固まってしまうと、簡単に取れなくなるから、最終的には、爪で剥がすしかない。でも、その時には、ぺいに極力痛みを感じさせないように上手に剥がしてゆかなければならない。当然、猫だから、剥がす時、じっとしていてはくれない。だから、タイミングを見ながら、無理をしないように少しずつ剥がしてゆく。とにかく、無理をしない事を優先したかったから、結局、目ヤニを剥がし終わるまで三日も要した。