「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

六月十九日(木)

療法食の缶詰が急に残り少なくなってきた。それで、追加注文することにした。なぜなら、退院後、暫くの間は、口からの食事を補う目的で療法食を追加してきたけど、数日前から口からの食事を全くしなくなってしまったからだ。肉もダメ、魚もダメ、どんな好物を与えても、またたびを振りかけても、ペット用に売られている流動食を与えても、とにかく食べてくれない。ペット用ではない人間が食べるカニカマなんて本当に大好物だった。それなのに・・・。本当は食べたくて仕方ないはずだ。でも、食べられない。そうに違いない。私は、そんな状態でも、毎日、朝と夜、今まで通り、食器の中に食べ物を与え続けている。結局、全く食べなくて全部捨てる日が続いたので、さすがに、最近は、与える量を徐々に減らしているけど、与え続けている。それは、なぜなら、ぺいは、食べられなくても、朝と夜は食器の場所へやってくる。それなのに、何も与えないというのは、ぺいを余計に悲しませるように思えたからだ。私が、ぺいの様子を見て、あっそう、食べられない?って感じで、簡単に見切ってしまったりしたら、ぺいを絶対に悲しませてしまう。本当は、食べたいのに癌で食べられない。そんな悲しみを、私が、増幅させてしまうなんて絶対に出来ない。

 

 そんな訳で、今日も、食事を与えると、食べる事の出来ない食事をずっと見つめている。癌になる前、元気な頃は、本当に食欲旺盛だった。まず、最初にぺいに食事を与える。その後に、私が食事を始めると、ぺいは、自分の食事を中断して私のところにやってきたものだ。そして、じっと、私が何を食べ始めるのか観察して、少しでも興味をそそられるものだったら、ぺいは食事をする私の手を右の前脚で抑えて、俺にもよこせってしてきた。それほどの食いしん坊だった。なのに、今は、食欲はあっても食べることが出来ない。どんな気持ちで食べ物を見つめているのだろうと想像してしまう。食べたくても食べられない。本当に辛いに違いない。 

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