「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

八月一日(金)

本当に無情だ。日に日に下顎の腐敗が進んで、ほとんど喉にまで達している。もし、このまま腐敗が止まらなかったら舌が根本から抜けてしまうのか?もし、舌が抜けたとしたら生きてゆけるのか?舌がなくなったら気道に湿りっ気のない空気がストレートに入ってしまう。今だって同じようなものだけど、なおさら辛くなるはずだ。そして、そんな事になれば、さらに感染症のリスクも高くなる。そもそも、どうして癌なのに手術前みたいに大きくならずに腐敗するのか?私は、ふと疑問に思った。そこで、インターネットで調べてみると、癌が大きくなり過ぎると、まず、癌細胞に至るまでに存在する途中の癌細胞が血液の流れを阻害して、先端の癌細胞にまで血液が流れなくなる。それで、血液という栄養分を得られなくなった癌細胞は、先端から死んでゆくのだという事が分かった。先端の癌細胞が死ぬ時、出来るなら癌細胞だけ死んでくれれば良いけど、周りに存在していた普通の細胞にも血液が流れなくなって、普通の細胞も道連れにしながら死んでゆくようだ。そして、その死んだ細胞たちが腐敗してゆく。癌細胞は、無秩序に増え続けて、増え過ぎたら、今度は自らも自滅してゆき、さらに、関係のない正常な細胞も道連れにしてゆく。あり得ない。酷い。酷すぎる。でも、冷静に考えてみると、そんな癌細胞も何か細菌みたいに突然外部からやって来たものではない。元々、自分の細胞であったものが変化したものだ。ある意味、自業自得なのか?仕方ないのか?でも、そう考えたら余計に悲しくなる。どんなに心は生き続けたくても、身体の細胞は、心の意思に反して死へと突き進んでゆく。そういえば、癌の発生というものは、哺乳類の宿命だという番組をテレビで見た記憶がある。そして、癌が発生しない生物も存在するという内容だった。癌の発生は、哺乳類が進化の過程で、哺乳類としてのメリットを享受するために生じたデメリットらしいのだ。いずれにしても、とにかく癌というものは、元々悪くない健康な細胞までも破壊してゆく。本当に憎い癌。どうにかしてほしい。